第57回日本アンデパンダン展を終えて  実行委員長・常盤博

tokiwahirosi 2月28日より3月12日の会期で上野東京都美術館において第57回日本アンデパンダン展が開催されました。出品者583名、作品数957点、入場者数9054名でした。  今回展は昨年9月28日に実行委員会(最終実行委員68名)を立ち上げて以来、約6ヶ月間各部活動を中心に進められ、さまざまな成果と教訓が作り出されました。こうした活気に満ちた実行委員会の姿こそ56回の歴史の中で培われた成果であり、今回展の経験と実績も活動の財産としてマニュアルとなり、次回以降の本展の発展に貢献できるものと思います。 戦後間もなく開始された日本アンデパンダン展は現在に至るまでこの歴史を通じてその都度各々が妥協できない発表の場として厳しく立ち向かい創作の意志を刻み続けており、「自由出品・非審査」を掲げた良心の表現者としての誇りと責任を持っています。  「創作は平和であってこそ」。これは等しくアンデパンダン展出品作家の共通概念であり、我々はヒトゆえに、この地球上に生きる一人としていかに向き合って生きるかを常に問われる筈であり、人が人らしく生きられる社会を願うものです。本展はここ数年「生きる証−私の表現」をテーマとしています。近年、アンデパンダン展の自由な雰囲気に背中を押されるように表現領域を広げる新たな可能性を学んでいる時でもあり、本展の活発な批評活動などにより一層期待できる予感があります。現実に数年来、個性的な表現の現出は社会不安を背景としたテーマ性の強いものが多いが、いわば必然性に則るもので、さらにこの傾向は強まることが予測される。従って展示(壁面・空間)に於いては出品者と観覧者双方の魅力的でかつ独創的な展示方法を今後模索する意義は大きい。そのためには実行委員会に参加する出品作家がその準備段階より各ジャンルに及ぶことが望ましく、かつ重要である。
  さて、今回展の特徴と課題をいくつかとりあげてみたい。
1.すばらしい高齢出品者と期待したい青年出品者  今回展100歳1名、90歳代4名、80歳代25名、70歳代117名、60歳代175名、50歳代109名、40歳代39名、30歳代27名、20歳代22名、10歳代2名、(出品申込書記載による)、高齢者現象は歴然であるが100歳出品者に誰もが勇気づけられた筈だ。一方ここ数年青年出品者がひと部屋(40歳以下希望者)受け持っているのは頼もしい限りである。本展における青年コーナーの発展に期待する所は大きい。
2.今回展88名の初出品者があり、今期中懇談会と合評会が行われて好評だった。是非次回展の出品を期待したい。
3.56回展出品者のうち、今回不出品者182名あり、かなり出入りの激しい印象を持つが再出品を促す援助をやってゆきたい。
4.全国公募展の本展であるが出品者の地域分布を見ると一都4県(東京 埼玉 神奈川 千葉 群馬)で7割強となるが、逆に九州四国全体で4名の出品に留まっており遠隔地の困難性が浮き彫りになっている。今後負担の軽減等についての論議も行われても良い 。

最後に催し物・企画として行われた講堂行事と創作研究会の成果については本文中の記載を参照して下さい。 実行委員会はこの展評発行で事実上任務を終えますが改めて半年を超える実行委員のみなさんの活動に心から感謝申し上げます。またこの展評を手にされた出品者のみなさん、作品を持って第58回展に再会できることを期待します。どうもありがとうございました。