重要な一歩 梅原 猛 (哲学者)
かつての百済の都、公州市の美術家の皆さんをお迎えし、「日・韓 交流」日本美術会展が開催されることを心より歓迎いたします。昨年は公州市、光州市で韓日交流展を行い、今年はこの京都でまた東京でも「交流展」が開催されるということで、隣国である韓国と美術創造を志す方々の間で創作・理論上の交流、また人と人との交流をすすめておられることに想いを深くしております。
日本は歴史的にも朝鮮半島から多くの文化的影響を受けてきた地であり、京都はそれらの大陸からの文化や日本独自の文化を吸収し、日本文化を創造し続けてきた中心地です。この地に千年の都、公州市の美術家の方々をお迎えすることは、美術交流にとどまらず、隣国との歴史的な正負の遺産をとらえなおし、より人間的な関係を築いていく重要な一歩かと思います。
旅をしてその地の文化を直に味わうことで新しい地平が広がることが多々あります。創作・理論上の交流とともに、人と人とが行きかいその地の息吹を肌で感じることはこの上ない交流であり、経験です。京都の奥深い伝統とそれに裏打ちされた革新的創造力を見ていただけるきっかけとなりますことを願いつつ、今日の「日・韓 交流」日本美術会展の成功を願っております。
ごあいさつ 日本美術会展実行委員長 久保田壹重郎
「日・韓交流」日本美術会展−百済の古都・公州のアーチストとの/新しい時代展−
の開催を心から歓迎し、連帯のあいさつをおくります。
韓国と日本の美術家によって、相互の文化を交流できることはすばらしいことです。
「かって戦争は日本の美術を傷つけ破壊した。戦争に反対することは美術家の責務である。」として1946年、二度と戦争をくりかえさせないという誓いのもとに創立された日本美術会と、韓国との文化交流は、平和と民主的な美術交流の場として、意義あるものと確信しています。
会期中には作品鑑賞研究会はもちろんのこと、古都京都や奈良のツアーを企画し、レセプションなどで、ともに語り合い、学びあいたいと思っています。
これからも、自主的な美術交流をつみかさねていくことを、切に望んでいます。
古都・公州のアーチストの皆さん、
全国から参加した日本美術会の皆さん、
ようこそ古都・京都へ。
「日・韓交流展」京都でふたたび―日本美術会代表 渡辺 皓司
昨年2003年10月、百済の古都・公州で、「韓・日交流展」が開かれたことは、過去の歴史を乗り越えて、二十一世紀にふさわしい両国の友好と相互理解を深めるうえで、大きな役割を果たしました。海を越えて結ばれた、この糸を今後さらに太く強くしていくことは、
私たちの願いです。
本年は日本の古都・京都で「日・韓交流」日本美術会展が開かれます。第1回展の公州、
第2回展の京都と、両国の秀でた文化的伝統を誇る地で開かれることの意義は、大きな価値を有しています。相互に両国の文化的伝統を理解しつつ、同時に新しい時代に向けた文化的創造活動を共有できることは、未来の両国の友好と信頼、文化交流の輝かしい実りを暗示しています。これは単に美術家だけの問題ではなく、両国の国民全体の、新しい二十一世紀の課題であると考えます。
いま世界は、美術界を含め大きく動いています。私たち日本美術会も時代の真実を探りながら、会存在の自己確認を問うさまざまの課題を抱えています。
このような時期に、同じ北東アジアの両国が共に自国の文化伝統を検証しつつ、新しい価値の創造に向けて開かれる「日・韓交流」日本美術会展は、私たちの創造活動を鼓舞し、抱える課題に示唆をあたえるものとなるでしょう。
文化の香り高く、自由な精神の発露とその創造表現が、相互に刺激し合い共に心と心が溶け合い、会場の壁一面に花開く姿は、「日・韓交流」日本美術会展の真髄を象徴するものとなるでしょう。それはまた、昨年の公州での人間的な触れ合いの親密さと信頼感を、再現することなのです。
公州での思い出と共に、百済の地でお会いした人たちと、再び京都の地でお会いし固く握手できることは、私たちの心を湧き立たせる大きな喜びです。
お祝いの言葉 京都市美術館長 村井 康彦
日本美術会は、1946年の創立以来の長きにわたり、日本アンデパンダン展を開催し、
日本美術界の発展ならびに芸術文化の振興に多大の貢献を果たしてこられました。この
日本美術会と韓国美術協会公州支部の皆様とが、美術家の交流を通じて様々な形で日韓の文化の相互理解を発展させ、また、美術創造を通じた交流の場として「日韓交流」日本美術会展を開催されますことは、たいへん意義深いものであります。そして、このような芸術文化の国際交流の場が、平和、人権、環境といった21世紀の私達に課せられた課題を解決するためにも大きな役割を果たすのではないかとも考えます。
また、本展の開催地として私どもの美術館がございます日本の古都、京都を選んでいただきました事は、まことに光栄であります。そして、今回の展覧会の開催を契機に、日本と韓国との幅広い国際的な交流と理解がより一層発展しますことを心より願うものです。
結びに本展の御成功と日本美術会ならびに韓国美術協会の今後ますますの御発展を心から祈念致しまして、お祝いの言葉と致します。
京都で新しい時代展を迎えて社団法人 韓国美術協会公州支部長 金 明 泰
朝霧がなくなると自然にとどまっている露は一層玲瓏たり。その玲瓏さは私達の心をまぶしくする、それが創作の虜になっている作家の目です。藝術は夢と希望があるから美しいのです。藝術は無言の対話ができるから愛しくなります。藝術は大いなる夢を成し遂げる価値があります。だから藝術は燦?としています。
今や世界は文化藝術が国を導く時代と言えるでしょう。様々な文化藝術は複合的な形態が多様に展開しています。私達の社会はすばらしい芸術家達を積極的に求める時代が迫っていると言えよう。
複雑で多難の現代人に活気を吹き込み、精神的な余裕と暮らしの向上に、美術家の役割は大変大きいと考えられます。もはや私達の社会は黄金の文化から離れて、見て感じて触れる事の出来る情緒の文化に転換しています。
このような観点から、文化の世紀・藝術志向の時代を生き行く私達にとって、美術の幅広い国際交流は、私達の生のためのみならず、心性を清くしてくれる清涼剤になって、この役割は実に大きくなります。
百済の古都である公州にあって二十余年美術の発展に努力してきた公州美術協会が、一つの心を以って新しい文化創造のために取り組んだ「韓・日交流展」は両国間の美術発展を先導する意味をもつ美術交流展で、現代美術の過去と現在、それから未来を一箇所で観られる意味深い場としての役割を果たします。
小さい種一粒が大きくなって、大きな実を結んで、世の中を豊かにするように。「韓・日
交流展」が、今はたとえスタートの段階であっても、日増しに成長し発展して、美術文化の美しい未来が、二つの国の古都に、満ち溢れんばかりの実を結ぶことが出来るのではないだろうか。
今回の交流展に参加して下さった公州美術協会の会員諸氏と、日本美術会代表を始めとする日本美術会会員の皆様一人一人に、心からの感謝の言葉を捧げます。