アルゼンチン便り NO.6 (海外の会員からの通信)

San Fan への旅

7月8日から8月6日まで1ヶ月間、健康診断のため日本へ一時帰国しましたが、再検査も受けなくてはならず、帰亜 予定一日前にOKが出る状態でしたので日美の総会にも出席できませんでした。

真冬のアルゼンチンから、真夏の日本へ移動したので体が対応できず、逆に亜国へ帰ってきたら時差ぼけがひどく、時 差ぼけ解消のため、3連休を利用してサンファンにある自然世界遺産の小旅行に行ってきました。

サンファンの街はブエノスから飛行機で約2時間の北西に位置し、1944年大地震・震度8弱で街が全壊し、それ以 降に作られた街なので歩道もアルゼンチン一の広さだそうです。ブエノスの紙屑だらけの街から比べるときれいな街でした。

一日目はワインの大きなボディガ見物にいきました。近くにはぶどう畑が連なり、イタリア人の移民がヨーロッパの方 法で醸造したときに使った大きな木の樽、一人では持てないほどの大きな会計帳簿、葡萄を絞る機械などが展示してあり、奥の工場から今作られているワインの 匂いが漂ってきました。サンファンのスーパーマーケットのワイン売り場に並んだワインの種類の多さを見て、この国のワイン生産量世界5位がうなずけます。

2日目は世界遺産の「月の谷」へのツアーに参加しました。11人の客と一緒に6時間、何も無い荒地をワゴン車で走 り、やっと着きました。月の表面のような地形なので月の谷と言われるのでしょうか。


月の谷

銅を含んだ所は青く、鉄を含んだ所は赤く、赤い岩肌でそそり立っているところは、人の手で作られた寺院の様相で した。ガウディの建物はこれをヒントにしたと聞いたよと我が友人は言っていましたが本当のところはわかりません。恐竜の化石が出た場所ですが、あまり調査 が入っていません。乾燥した地形で、夏でも夜は0℃で、日中は40℃以上の気温差で石に含まれる水分で丸い石がスパッと割れるほどだそうです。木陰も無 く、夏訪れたら焼き人間が出来そうな木も生えない広い場所でした。

3日目、月の谷から4時間ほど戻った近くの村の高台にあるホテルに泊まり、また5時間バンで揺られ隣の州ラ・リオ ハにあるトランパージャというやはり赤い岩がそそり立つ谷を見に行きました。後6キロの道でパンクです。周りは人家も無いだだっぴろい平原で、親切な人が 停車してくれてタイヤ交換を手伝ってくれたのですが、スペアタイヤは使い物にならず、トランパージャの入り口にある駐車場まで運転手がヒッチハイクしてタ イヤを調達してきたのですが、それがなんとサイズ違いでした。携帯も使えない場所で、無線を持った警備担当の人がやってきて、そのジープに乗せてもらって 入り口まで行き、谷を回っている間に修理が出来ました。2時間待っている間、動物の足跡を見つけたりしましたが、アルゼンチンの人たちは冗談で笑い飛ばし ていました。待つことはあまり気にならないみたいです。ひとつの岩山が地殻の変動で二つに分かれて出来たバージェ(谷でいいのかな)をガイドさんの早口の スペイン語の説明つきで回りました。私がいる場所は地球だと実感できた旅でした。
 


 

モンヘ(修道士)の岩と 150mの絶壁
 

2005.8.29     遠矢 浩子記