日本美術会声明
特別決議
「戦争をする国」への道は、自由な創造を破壊する道
憲法9条と表現の自由を断固守りぬく声明
「かつて戦争は目本の美術を傷つけ破壊した。戦争に反対することは美術家の責務である。われわれは人類の生存を脅かす核兵器の廃絶をめざし、戦争と侵略をやめさせ、ファシズムを防ぎ、表現の自由を確保し、平和な世界をつくるために美術家としてあらゆる努力をする。」(日本美術会趣旨より)
日本美術会は、日本の侵略戦争の痛恨から、1946年、上記趣旨を掲げて 結成されました。以来、様々な歴史の節目にあっても、常に平和と民主主義、表現の自由と美術家の権利擁護のために奮闘してきました。それは、戦争が自由な創造を破壊した苦い経験が戦後の美術家たちをその道に歩ませたものです。
平和を守る国民の力は、世界に誇る平和憲法の下で、戦後60年間一度も戦争で人を殺していない国という輝かしい歴史を刻んできました。
しかし、いま、アメリカの一国主義による戦争戦略に追随する小泉内閣と与党の自民党、公明党に加え、野党の民主党も、日本をアメリカと一緒に「戦争をする国」につくりかえるため、その足かせとなっている「憲法9条」をかえる策動を加速させています。
いま、世界の流れは、アジア・中東・ヨーロッパやオセアニアでも、軍事同盟が崩壊し、平和の共同体がつくられ、国連憲章にもとづく平和の国際秩序をめざす大きな流れがすすめられてきている中で、ただ日本とアメリカだけが軍事同盟強化の道を歩み続けています。
「戦争をする国」への道は、自由な創造を破壊する道であることは、あの日本の侵略戦争が若き美術家たちを戦争に駆り立て、多くの美術家を戦争協力の道へ巻き込んだことを見れば明らかです。二度とその道を歩むことのないよう、いまこそ圧倒的多数の国民の願いを集め、戦争への道を拒否していかなければならないと思います。
「憲法9条を守れ」の声は、いま日本のすみずみに広がり始めています。
私たち日本美術会は、組織の総力をあげて憲法9条と表現の自由を断固守りぬくために、あらゆる美術家の方々と力を合わせて奮闘することを表明します。
日本美術会声明
イラクからの自衛隊の即時撤兵、憲法の平和原則に真っ向から挑戦する有事法制と「改憲」策動の中止を求める
いま、イラクでは米英軍の無法な戦争と不法な軍事占領支配、無差別殺戮が続けられており、国際的批判が高まっております。加えてこの間明らかになった、米軍による捕虜への異常な虐待は世界的な怒りを呼び起こしています。
このようなイラクの全土の戦場化は、自衛隊の派兵が「非戦闘地域に限る」「武力行使をしない」などとする政府の説明が完全に国民を欺くものであったことを示しています。 自衛隊の派兵は、米英の無法なイラク戦争の正当化と、軍事占領を追認するものであり、戦後一貫して守り続けてきた平和憲法を乱暴に踏みにじるものです。 さらに小泉内閣はこのようなアメリカの戦争に全面的に協力していく体制をつくりあげる「有事法制」を強行しようとしています。
日本美術会は一貫して戦争と侵略に反対し、平和と民主主義・表現の自由を守るため奮闘してきました。いま、日本が進もうとしている危険な方向を断じて認めるわけにはいきません。イラクからの自衛隊の即時撤兵と憲法の平和原則に真っ向から挑戦する有事法制と「改憲」策動、とりわけ第9条の「改悪」をやめるよう要求するものです。